静電気保護コンサルティングサービス
レチクルの静電気損傷の
特徴は変化しています


ESDが起因のレチクル損傷は、頻繁に起きるものではなく損傷の検出も容易でした。しかし、近年のレチクルの特徴分離の縮小とレチクル取り扱い機器の静電気制御の改善により、レチクル損傷はより捉えにくいものとなっています。

継続的に劣化するメカニズムである?EFM(Electric Field induced Migration 電場誘起移行)へと変化してきています。

マイクロトームは2003年にはじめてこのレチクル損傷メカニズムの特徴について明らかにし、その後コロラド大学との共同研究によって定量化しました。

またその後、IBMによるレチクル劣化に関する研究によって、我々が研究で示していたクローム移行の極めて低い閾値について追認しました。 ESDを発生させる電場よりも100分の1小さい電場でEFMは発生します。?

EFMは継続的でかつ積み重ねによってレチクルが劣化するプロセスで、レチクルパターンの限界寸法を毎秒6nm以上で変化させてしまうことができます。

193nmヘイズのように、EFMによるリソグラフィープロセスウィンドウの損傷は長い時間をかけて少しずつ劣化が進んでいきます。しかしながらヘイズと異なる点は、レチクルのクリーニングだけでは容易に劣化前の状態に復元できないということです。

レチクル端部における強い局所電場によってEFMは引き起こされます。レチクルは電場の増幅器として働き、レチクル内部の電場は外部よりも容易に1000倍もの強度に達します。

つまり、ESDのリスクばかりを考えることよりも、レチクル周囲の電場を制御することがより大切となります。ESD予防のための包括的な対策を強化するだけでは不十分で、対策によっては逆効果となる場合もあります。

例えばESDのリスクを制御するために広く導入されている等電位ボンディングは、実際には電場の影響に繊細なレチクルへの?リスクを増大させてしまいます。

半導体業界やESD防止対策に取り組む団体ではまだまだ正しい理解が普及していないの現状です。
レチクル取扱中における静電気によるリスク
上図は、レチクルが通常の使用時に、ESD損傷を発生する閾値以下であっても、EFMを引き起こすことが可能な静電応力下に常におかれていることを示してます。ESDによる損傷が発生していないからといって、静電気によるリスクにさらされていないとは限りません。そして、左に記載したように、ESDリスクを低減するために広く取り入れられている対策は、電場の影響に繊細な材質に対しては静電応力を?増大させることがあります。

静電気散逸や“導電性“のプラスチックレチクルポッドは、上図で表記しているように過渡電界をポッド内のレチクルにも伝播させてしまうことがあります。実際に、静電気散逸の素材は過渡電流を発生させ、外部の電場変化をポッド内部の過渡電流へと変換させることがあります。これにより、レチクルへの負荷が増加することになります。

不適切な接地や静電気散逸プラスチックの不適切な使用はリスクの増大につながります。リスクを正しく理解し、そのリスクを低減するため正しい方法を理解することは、レチクルを静電気による損傷から守るために不可欠です。

静電気保護が不適切であったために、世界の中でも先進的なある工場で巨額の損失が発生した事例があります。業界のベストプラクティスを適用し、専門的なESDコンサルティング機関からの定期的な監査を受けていたにもかかわらず、問題が発生することがあります。正しい対策を理解することの大切さを、御社や御社の抱えるESDのコンサルタントに今一度見つめなおしていただきたいと思います。

そこで、弊社のもつ専門知識は、御社に価値をもたらすことができると信じています。この分野において私達のもつ豊富な知識と経験によって、静電気に非常に繊細な機器に対する保護の見直しに目を向けていただけるようにサポートさせていただきます。

レチクル取り扱いスタッフに対してのEFMの理解の周知、または、設備全体でのレチクルの安全点検によって、運用におけるレチクルやその他の静電気に非常に繊細な機器が目に見えない静電気によって受けるリスクの特定について、私達はサポートさせていただきます。?



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参考文献?



Rider, G. C., Kalkur, T. S., "Experimental quantification of reticle electrostatic damage below the threshold for ESD," Proceedings of SPIE Advanced Lithography Vol. 6922-73 (2008)

Rider, G. C., "Electric Field Induced Chrome Migration In Reticles" Proceedings of SPIE Photomasks Vol 7122-14 (2008).

Sebald, T., Rider, G. C.," High sensitivity electric field monitoring system for control of field-induced CD degradation in reticles (EFM)", Proceedings of SPIE Photomask and NGL Mask Technology XVI, Vol 7379-60 (2009)

SEMI E163-0212 - "Guide for the Handling of Reticles and Other Extremely Electrostatic Sensitive (EES) Items Within Specially Designated Areas" (link)

International Technology Roadmap for Semiconductors 2011. (link)


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